翌日、すぐに連絡があり、仕事帰りにとあるカフェで待ち合わせが
決まりました。
中川コーチは、すぐに私を見つけ、にっこりと微笑みながら手を
振って近づいてきて下さいました。
大きな瞳をした、オーラのある女性でした。
「…この人がコーチなんだ!」
緊張している私に、コーチは優しく声をかけ、
「そんなに緊張しないで、リラックスしていんですよ!」
と言って下さいました。そこでほっとした私は、ぽつぽつと現状を
伝えしました。
語学学校に勤務しているものの、仕事はつまらないし、上司との
折り合いは悪い。
残業時間が多いため疲れきってしまい、せっかくのお休みの日には
何もする気がない。毎日がつまらない。
自分自身のことがちっとも好きになれない。
このまま私、どんどん年をとっていってしまうのだろうか…。
こんな愚痴めいた話でしたが(笑)、コーチは嫌な顔ひとつせず、
真剣な面持ちで、 時にはユーモアを交えながら耳を傾け。そして、
「現状のことは、よく分かりました。
じゃあ、今度は長谷川さんの夢について伺いますね。
あなたは何をして生きていきたいと思っているのですか?」
そのとき、心のどこかで「私だって英語を教えてみたい!」
という思いが火のようにひらめいたのですが、さすがにそれを口
にするのははばかられました。
なぜと言って、私がイギリスに留学していたのはたったの一年足
らず。
ネイティブでもなければ、帰国子女でもない。
それなのに「英語を教える」なんて、あつかましいにもほどがあ
るのではないか…?